2024年上半期の炎上事例データ | 誹謗中傷対策センター
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2024年上半期の炎上事例データ

2024年上半期の炎上事例データ

誹謗中傷対策センター(ネクストリンク株式会社)は、2015年以来、ネット上での炎上に関するデータを集めてきました。2024年の上半期(1月~6月)における日本国内の炎上事例について、詳細なデータを基に分析を行いました。メディアの発展やSNSの普及に伴い、炎上の頻度や原因も多様化しています。本記事では、各メディアや業界別に炎上事例を数値化し、その傾向を読み解きます。

調査

調査期間:2024年1月1日~2024年6月30日
調査対象:国内ニュース・SNS・掲示板

炎上事例の調査方法

SNSやインターネット上のメディアの常時監視を行い、「対象に対する非難や批判の発生」「対象に対する非難や批判が拡散されている」内容を確認した場合、炎上事例と認定しています。

2023年下半期の炎上事例データ

月別炎上件数の推移

2023年下半期の炎上件数

2024年上半期には、全体で170件の炎上事例が発生しました。
月ごとに件数と割合を詳しく見てみましょう。

1月:21件(12.4%)

1月は、政治家や著名人による失言が特に目立ちました。 例えば、新年早々、首相の記者会見での発言が切り取られて、SNS上で拡散され批判が集中したのをはじめ、東京都が税金を使用して、男女の「AIマッチング」サービスを開始すると発表し、「公営パパ活アプリか」などと皮肉る意見が投稿されるなど、昨年に引き続き、政治家に対しての不信感からくるものと予想されます。

また、著名なラッパーがSNSで発表した新年の抱負が炎上するなど、SNS上での発言が大きな波紋を呼びました。

2月:29件(17.1%)

2月はエンターテインメント関連のイベントや企業のキャンペーンが多く行われ、これが炎上の原因となりました。 特に、某大手企業がバレンタインキャンペーンで不適切な広告を掲載し、SNSで批判が相次ぎました。 この広告は一部のユーザーに対して不快感を与えるもので、企業は即座に謝罪し、キャンペーンを中止しましたが、炎上は数日間続きました。

3月:30件(17.6%)

3月には政治関連の炎上が増加しました。 特に、ある議員がSNS上で行った発言が炎上し、その発言内容がニュースでも取り上げられました。 この議員は被災地訪問に関連した投稿を行いましたが、支援物資を巡るコメントが炎上の引き金となりました。

また、別の炎上事例として、飲食店がSNSで食べ残しをした学生を公開し、批判が殺到しました。 この事件は大きく拡散され、お笑い芸人が自身のYouTubeチャンネルで取り上げるなど、大きな話題となりました。

4月:27件(15.9%)

4月は新年度の始まりに伴い、企業や団体による新プロジェクトの発表が集中しましたが、その中で一部の企業が発表内容に関する批判を受けました。 特に、某大手IT企業が新サービスを発表した際、プライバシーに関する懸念がユーザー間で広がり、炎上が発生しました。 SNS上では「#プライバシー保護」がトレンド入りし、ユーザーからのフィードバックを受け、企業はサービス内容の修正を余儀なくされました。

5月:28件(16.5%)

5月には政治家の発言が再び注目され、ある地方自治体の首長がメディアで行ったコメントが大きな問題となりました。 この首長は記者会見での質問に対し攻撃的な態度を取ったことで批判を受け、その模様がSNSで拡散されました。 さらに、エンタメ業界でもタレントの不祥事が明るみに出るなど、炎上が相次ぎました。

6月:35件(20.5%)

6月には企業の労働環境に関する炎上が目立ちました。 特に、大手製造業の労働条件がSNS上で告発され、これが拡散されると共に大きな波紋を呼びました。 企業は緊急会見を開き、労働環境の改善を約束しましたが、社会全体での議論が起こるほどの影響力を持った炎上となりました。

メディア別炎上件数:SNSが主戦場

メディア別炎上件数のグラフ画像

続いて、メディアごとの炎上件数について詳細に分析します。 各メディアの特徴や傾向に注目し、代表的な事例を通じてその背景を探ります。

X(旧Twitter):97件(56.9%)

全体の半数以上を占めたX(旧Twitter)は、特に著名人や政治家の発言が炎上する場となっています。 例えば、3月にはタレントがプライベートでの発言を誤解されて炎上し、本人が謝罪動画を公開する事態となりました。 X(旧Twitter)は情報の拡散速度が非常に速いため、一度炎上が始まると収束までに時間がかかる傾向があります。

TV:23件(13.5%)

TVではニュース番組やバラエティ番組での発言が問題となり、炎上に発展するケースが見られました。 2月には、あるタレントがバラエティ番組内で発言した内容が差別的であると批判され、SNS上で拡散されました。 番組側は謝罪し、タレントも公の場で謝罪コメントを出しましたが、視聴者からの反発は続きました。

YouTube:21件(12.4%)

YouTubeでは、特にインフルエンサーや著名人による発言や行動が炎上の原因となっています。 4月には有名YouTuberが行った動画チャレンジが「不適切で危険」として批判を受け、大炎上しました。 このYouTuberは動画を削除し、改めて謝罪を行いましたが、スポンサー契約にも影響を及ぼし、騒動は長期化しました。

Instagram:4件(2.4%)

Instagramは比較的炎上件数が少ないですが、ファッション業界やインフルエンサーの投稿が炎上するケースがあります。例えば、2月にはファッションブランドが投稿した広告が「文化の盗用」として批判され、アカウントでの謝罪文が掲載されました。Instagramは視覚的な要素が強いため、広告や写真に対する反応がダイレクトに炎上の引き金となる傾向があります。

ブログ:2件(1.2%)

ブログメディアでは、個人の意見やレビュー記事が炎上の原因となるケースがあります。 特に、ある人気ブロガーが商品レビューで偏った見解を示したことで、消費者や企業からの批判を受ける事態となりました。 このブロガーは後日、記事内容を修正し謝罪を行いましたが、批判は数日間続きました。 ブログは公開される情報が長期間閲覧可能なため、後から批判が発生するケースも見られます。

TikTok:2件(1.2%)

TikTokは若者を中心に人気のプラットフォームですが、投稿内容が炎上するケースが少なくありません。 5月には、あるインフルエンサーが社会的に不適切とされる内容を含む動画を投稿し、批判が殺到しました。 TikTokは動画の拡散力が強く、炎上の収束までに時間がかかる場合が多いです。

ホームページ:1件(0.6%)

ホームページでは、企業や団体の公式サイトに掲載された内容が炎上することがあります。 3月には、ある企業のホームページに掲載されたニュースリリースの表現が問題視され、SNSで拡散されました。 特定のユーザー層に対して配慮が欠けているとの批判が上がり、企業は即座にサイトの内容を修正しました。

その他:20件(11.8%)

その他のメディアとしては、新聞やラジオ、掲示板サイトなどが含まれます。 特に、掲示板サイトでは匿名の投稿が拡散され、それが炎上の引き金となるケースが多く見られました。 6月には、掲示板上である企業に対する匿名の批判投稿が拡散され、企業が対応を迫られる事態となりました。

業界別の炎上分析:娯楽業が最多

業種・発生原因別炎上件数のグラフ画像

業界別に見ると、娯楽業が最多で全体の56.5%(96件)を占めました。 著名人の発言やイベント関連のトラブルが多く、特にSNS上での批判が目立ちます。 次いで、政治団体が18.8%(32件)、飲食サービス業6.5%(11件)と続きます。

娯楽業では、タレントやアーティストがSNS上での発言やイベント中の対応が炎上の引き金となるケースが目立ちます。 例えば、ある有名タレントが自身のライブイベントでの発言をSNSに投稿したところ、それが誤解を生み、大規模な批判に繋がりました。

政治団体では、政治家の発言や活動に関連した炎上が多く、特にSNS上での発信が大きな注目を集め、拡散されることで批判が広がりやすい傾向にあります。

飲食サービス業においては、店舗の衛生管理に関する問題やサービスの不備が原因となるケースが多く見られます。 特に、食品に関する問題はSNSで拡散されやすく、企業にとっては大きなリスクとなります。

発生原因の詳細分析

炎上区分のグラフ画像

2024年上半期の炎上事例を発生原因別に分析すると、炎上が発生する背景や要因が浮き彫りになりました。 特に、著名人や企業、政治家が大きな影響力を持つ中で、その発言や行動が炎上の引き金となるケースが多く見られます。

芸能人・著名人・Youtuber:73件(42.9%)

最も多くの炎上が発生したのは、芸能人や著名人、Youtuberに関連するケースです。 特に、1月と4月に集中して炎上が発生しています。 これらのケースの多くは、SNSや動画配信プラットフォーム上での発言が原因です。 具体的には、1月にある人気タレントが自身のSNSアカウントで発言した内容が「不適切」として批判されました。 このタレントは新年の挨拶の一環でコメントを投稿しましたが、その言葉が一部のユーザーに対して不快感を与え、炎上に発展しました。 また、4月には有名YouTuberが行った動画企画が「過激で危険」と指摘され、動画が削除される事態となりました。 これらの著名人やインフルエンサーは、多くのフォロワーを抱えるため、発言や行動がすぐに拡散され、大規模な炎上に発展しやすいというリスクがあります。

企業・法人・組織(団体):38件(22.4%)

企業や法人、団体に関連する炎上も多く発生しています。 特に、キャンペーンや広告が発端となるケースが目立ちます。 例えば、2月に大手飲料メーカーが発表した新製品のキャンペーンが「誤解を招く表現」としてSNS上で批判されました。 このキャンペーンでは、消費者層をターゲットにした広告戦略が裏目に出て、特定の文化や背景を軽視する表現が問題視されました。 企業側はすぐに謝罪文を公開し、キャンペーンを中止しましたが、一度拡散された情報が収束するまでに数日を要しました。

また、3月にはある大手IT企業が新たなサービスを発表した際、そのプライバシーポリシーに対して懸念が寄せられました。 この件では、ユーザーのデータ収集に関する透明性が欠如していると指摘され、SNSで炎上が拡大しました。 企業はプライバシーポリシーの修正を発表し、改善策を講じましたが、炎上が完全に収まるまでには時間がかかりました。

政治家:32件(18.8%)

政治家による炎上も上位にランクインしています。 特に、議員や地方自治体の首長が行った発言が問題視され、批判の的となるケースが見られます。 1月には、首相の新年会見での発言がSNS上で炎上し、多くのメディアに取り上げられました。 このケースでは、発言の一部が切り取られた状態で拡散され、誤解を生む形となりました。 結果として、SNS上で「#首相辞任」というハッシュタグがトレンド入りする事態に発展しました。

一般人(社会人):15件(8.8%)

一般人による炎上は、個人のSNSアカウントでの発言や投稿が原因となるケースが多いです。 特に、職場での不適切な行動やコメントが拡散され、企業のイメージにも悪影響を与えることがあります。 例えば、6月にはある企業の従業員が職場で撮影した写真をSNSに投稿し、その内容が労働環境に対する批判を呼び起こしました。 この投稿は数時間で拡散され、企業は緊急会見を開いて対応する事態となりました。

その他(社員・従業員/学生/社長・経営者/教員・教授・研究員):12件(7.1%)

その他、学生や教員・教授などの教育関連者による炎上も少数ながら発生しています。

2024年上半期の炎上まとめ

炎上の発生原因は多岐にわたりますが、共通しているのは情報が拡散されやすい環境下での発言や行動がトリガーとなる点です。 特に、SNS上では即時性が高く、一度発信した内容が瞬時に広がるため、炎上が拡大しやすい傾向があります。 各セクターや関係者は、このリスクを理解し、発言や行動には慎重さが求められます。

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