誹謗中傷対策センター(ネクストリンク株式会社)は、2015年以来、ネット上での炎上に関するデータを集めてきました。
2023年は年間で300件以上の炎上事案(国内ニュース・SNS・掲示板にてネガティブな発言がされたと定義)が発生しています。
毎年、炎上件数は増加傾向にあり、「SNSを利用することは、いつ炎上してもおかしくない。炎上と隣り合わせ」という段階になっており、何気ない投稿までもが炎上してしまうという事態になっています。 そういった背景もあり、炎上をさせないよりも、いかに最小限に押さえるか。という点がポイントになりつつあるようです。
今回の記事では、2023年の7月から12月にかけて起こった炎上事例をまとめました。
調査期間:2023年7月1日~2023年12月31日
調査対象:国内ニュース・SNS・掲示板
SNSやインターネット上のメディアの常時監視を行い、「対象に対する非難や批判の発生」「対象に対する非難や批判が拡散されている」内容を確認した場合、炎上事例と認定しています。
「2023年上半期の炎上事例データ」の記事内の予想では、炎上事例は約260件前後になるのではと予想を致しましたが、下半期で160件以上の事例があった事から、2023年度の炎上件数は330件となり、2022年よりも多いという結果となりました。
炎上が発生するメカニズムは、他の記事でもご紹介していますが、
といった流れとなっており、この流れは、今も昔と大きな変化はありません。
ですが、近年は、SNSで拡散されると同時にメディアなどでも取り上げられることが増えたことで、 炎上するまでのスピードが速くなってきています。
また、メディア側も炎上するであろう事例を、独自で探し番組やニュースなどで取り上げる事も増えています。 こういったメディア発信で炎上へと発展していった案件も増えている事も、炎上事例が増加している理由ではと考えられます。
2023年7月にTwitterがXへと名称が変更となりました。また、システムなどの変更も度々あった事で、世界的に利用者が減少している言われる中、日本では、X(旧Twitter)の利用時間が、アメリカなどの主要な国・地域よりも上回っていると、米Twitter運営会社のイーロン・マスク会長がTwitterで明らかにしました。
やはり、匿名で利用が出来る。短い文字でも情報が詰め込める。手軽に投稿出来る。といった点が、日本の文化に合っているようで、X(旧Twitter)は37%と他のSNSよりも利用者が多い傾向にあります。
下記は、総務省が過去に公開した統計「令和4年度 違法・有害情報相談センターに寄せられた相談(作業)件数の事業者別内訳」のグラフです。 この結果からも分かるように、X(旧Twitter)が15.3%と一番多く、悩みの原因である事を示しています。
参照:総務省ホームページ
そういった事からも、今後も、X(旧Twitter)がきっかけで炎上へと発展していく事例は、これからも増えて行くことが予想されます。
上半期の炎上事例データと同様に、今回も、火種の原因は、娯楽業が102件とダントツとなっています。 やはり、芸能関係者やYoutuberなど、有名人への批判の声は「仕方がない」「人気がある証拠」などと解釈をするユーザーも 少なくなく、何気ない発言でも炎上しやすい傾向にあるようです。
有名人といえば、ネットユーザーだけではなく、国民から注目が集まる政治家が関連している火種も上半期は10件だったのが、下半期は24件となっており、増加傾向にあります。 これは、政治家に対しての不信感からくるものが多く、SNSを中心に批判噴出しています。
集計結果は、顧客クレーム・批判が115件、不適切発言・行為・失言が47件、不祥事、事件ニュースが各1件となっており、炎上の約70%が、顧客クレームや批判から騒動へと発展している事が分かります。
明らかな不適切発言や行為、失言などが原因で、炎上へと発展した場合は、炎上した理由がはっきりと分かりますが、近年は、何か問題はないか?などと粗探しをするユーザーや、この不満を誰かにぶつけたい。といった理由などから、クレームや批判を投稿する。という事例が見受けられました。
一例を出すと、
とあるスポーツ選手が、試合に負けてしまった翌日に夫婦の仲良し写真をSNSにアップした所、
「空気読んで」「浮ついたことしてるから負けるんだろ」などと批判のコメントが投稿されてしまった。
これは、ファンが試合に負けた不満を、選手にぶつけたことで、このようなトラブルへと発展してしまった事例です。 最近では、何気ない写真や発言でも、「こんな時に不謹慎だ」などと、とりあえず否定的なコメントするユーザーも一定数いる事を考えると、 顧客クレーム・批判の件数は、今後も、多い区分になるのではと予想されます。
2023年下半期の炎上事例は約170件ありました。これは、1日に約2件は、ネット上で炎上しているという事になります。
炎上事例をチェックしてみると、企業の炎上事例よりも、有名人の炎上事例の件数が半数以上を占めていました。 企業の炎上事例件数が少なかったのは、トラブルや炎上に発展する事を避けるために、対策を取っている企業が増えて来ている。という事が考えられます。
その一方で、SNSユーザーの中には、承認欲求が強いユーザーも多く、判断が上手くコントロール出来ない事で、 悪い印象を与えてしまうような行動を取ってしまい、騒動へと発展してしまった。というトラブルが増加しているようです。
今回カウントされた件数は、炎上した件数であり、炎上の原因となる火種は、これ以上に存在している事などから、炎上件数は、これから増加の一途をたどる事が予想されます。
2023年は、不祥事が起きた際の対応によってネット上で炎上し、イメージが悪化してしまったという企業や団体が複数ありました。
イメージが悪化した出来事
炎上した原因を理解せず、その場しのぎの対応をしてしまった事で、さらなる批判を招いてしまった事が原因だと言われています。 この事から、トラブル後の対応が、いかに重要であるという事が分かります。
炎上するパターンは、どれも似ている事から、どのような投稿が炎上しやすいのかなどを分析する事で、未然に防ぐことは可能です。 ただ、ネットも日々進化しており予測不可能である為、対策を講じたからといって、必ずしも炎上しないとは言い切れません。 このような事から、現在は、炎上させない。よりも、リスクを最小限に抑える。という対策へと方向転換する時期なのかもしれません。
誹謗中傷対策センター(ネクストリンク株式会社)ではSNSをはじめ特定のサイトや検索結果の監視・対策を行っています。炎上対策についてお困りの際はぜひ一度お問い合わせ下さい。
当社はウェブマーケティングに特化した広告会社として2006年に営業活動をスタートし、インターネット領域での皆様の「困った!」を解決すべく、2009年よりインターネットの誹謗中傷・評判管理対策サービスを開始し平時・有事を問わず多くの企業をサポートしています。
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