未成年も含めほとんどの人がスマホを持つようになりました。
スマホがこれほど普及する以前からインターネット上に個人情報などが残るデジタルタトゥーの危険性については言われてきましたがその言葉はなんとなく知っていてもあまりにもSNS(ソーシャルメディア)などが身近になった現代においてその危険性に対する意識は低くなってしまっているのではないでしょうか。
本記事では、デジタルタトゥーとは何なのか?消せるのか?今なお残り続けるデジタルタトゥー事例を交えて、及ぼす影響を紹介します。
本記事は2023年11月27日に最新情報にアップデートしました。
デジタルタトゥーはデジタルとタトゥー(刺青、tattoo)が組み合わされた造語です。
一度インターネット上に書き込まれた情報や画像などは意図せずに多くの人の目に触れ、拡散されていきます。そのため書き込まれたあとに消したいと思っても不特定多数に拡散されてしまっているために完全に消すことは出来ません。その消すことが出来ないことを、一度身体に刻んだあとに完全に消去することが難しいタトゥー(刺青)になぞらえて表現されました。
この概念が出始めた頃は「Electronic tattoo(電子タトゥー)」という言葉が使われていたようですが、今日では「Digital tattoo(デジタルのタトゥー)」で統一されています。
デジタルタトゥーの危険性を紹介しているページはこちら
・デジタルタトゥーとは?消せない危険性や巻き込まれない対処法も紹介
一般的にデジタルタトゥーというと個人の特定ができてしまう情報や顔写真などの画像を想像すると思いますが、実際にはさらに多くの情報がデジタルタトゥーとして数えられます。
個人情報というと電話番号や住所、フルネーム、または顔写真など一般的に考えられる個人情報をイメージしますが、実はこの他にも意識せずに利用しているスマートフォンやパソコンに日々蓄積されている位置情報、指紋認識、顔認識、ブラウザなどの検索履歴、閲覧履歴や動画などの視聴履歴など多くの情報もまたデジタルタトゥーの一種なのです。
また個人の特定を可能にする個人情報とは別の性質を持つものとして誹謗中傷やデマ、悪意のある噂などもまたデジタルタトゥーのひとつです。
Twitterなどで不用意な発言をしてしまったりするとすぐに削除をしてTwitter上からデータが消えたとしても、スクリーンショットを保存されていて、拡散されればされるほど拡がっていき、収拾がつかない事態になりえます。
騒動としては収まったとしてもインターネット上に半永久的に残り続けるため、誰かが検索をすれば目についてしまいます。
そうなってしまうとそれが事実であるかどうかというのは全く問題ではなくなってしまうのです。
犯罪を犯して逮捕された場合にニュースに取り上げられたものも残り続けますが、起訴されずに有罪にならなかった場合でもその情報は残り続けるのです。
またアフィリエイト目的でアクセス数を稼ごうと根拠もないままに一般人がブログでニュースをいち早く取り上げ、容疑者の実名を晒したりということもあります。昨今の検索エンジンではそういった信憑性のない記事は比較的表示されないようになったとはいえ、個人名での検索の場合は他の情報が少ないことも多いため表示されてしまうことはいまだにあります。
勤務先の内部で不適切な行為を行なっている画像の投稿や、注目されるためだけに禁止区域への侵入を行なったり、満足のいく動画が撮れるまで長時間居座る、などの迷惑行為をSNS上にアップロードするものは「バカッター」と呼ばれ日本でも注目されました。
日本では上記に記載した「バカッター」や「バイトテロ」が2013年に注目を集めました。それに合わせてデジタルタトゥーという言葉も浸透していったと言われています。
デジタルタトゥーの種類を見てわかるように、半永久的に残るという特性がデジタルタトゥーの危険性そのものと言えます。
具体的な例としては下記のようなものが挙げられます。
バックグラウンドチェックを行う会社があるように入社前や結婚前にインターネット上で実名で検索されてしまった場合によい情報ではないデジタルタトゥーがあると不採用や破談に繋がる可能性があります。
こちらも前項目と同じような理由ですが、住居を賃貸する際にトラブルを極力避けたいを慎重な貸主だった場合に入居審査に通らなくなる可能性も否めません。
バカッターなども例でもそうですが、実際に騒動を起こした本人のみならず所属する企業にも多大な影響があったり、また実名や住所が表に出てしまった場合には家族への影響もあります。
回転寿司チェーン店にて来店した客が食べかけの皿をレーンに戻す、食べ終わった皿を頭突きで返却するという動画がX(旧Twitter)やTikTok等で瞬く間に拡散され炎上。
動画は、4年前に撮影されたものであることが発覚している。
日本プロ野球試合のホームランボールを、少年から奪い取るように映り、その後、SNSにホームランボールを捕った男性に対して批判が相次いで炎上。
とある心霊物件が不法侵入・窃盗・器物破損を受ける。
この心霊物件を運営管理している代表者が犯行の様子を監視カメラに撮っており、その映像を動画公開し、瞬く間に拡散。
これまで説明してきたように、一度デジタルタトゥーとして刻まれてしまった情報を完全に消しきるのは不可能に近いです。たとえ検索結果などから見えなくなったとしても完全に消えたとはいえず、深掘りしていけば掘り起こされてしまったり、世界の誰かのパソコンやスマートフォンに情報が保存されてしまっているかもしれないからです。
またSNSなどから実際に削除を行ったことで隠蔽や知られたくない情報なのだという憶測が飛び、かえって目立ってしまって、いっそう拡散されてしまい目立ってしまう場合もあり得るのです。この現象は「ストライサンド効果」と呼ばれています。
「ストライサンド効果」という用語は、アメリカ合衆国の歌手・女優でエンターテイメント界の大物、バーブラ・ストライサンドに由来する。2003年、バーブラは自分の邸宅が写っていたネット上の画像の公開を差し止めようとして裁判を起こしたが、かえって世間の関心を集める結果になってしまった。
同様のことは、大企業などからユーザなどへの警告状 (cease-and-desist letter) の発信、DVDビデオの暗号解除コード(違法素数)の公表差し止め警告、ファイルやWebサイトなどに対する削除要求の際にも起こる。これらの情報が隠蔽されたり公開差し止めとなったりする代わりに、かえってその情報に対するネット上やメディアの関心が高まり、ミラーサイトやファイル共有ソフトなどで情報が際限なく拡散することになる。
[出典]Wikipedia
なお、完全に消しきるのは不可能に近いですが、個人情報などは検索結果から見えにくくすることが場合によっては可能です。
個人情報などを検索結果から削除した場合には、下記の記事を参考に削除をしてください。
完全に消すことが出来ないのであればいったいどのような対策を講じればいいのでしょうか。
第一にはデジタルタトゥーを残す行為をしない、ということになります。
情報発信をするときには気軽にせずに、その発信した情報を目にした誰もがスクリーンショットしたり、魚拓のようにデータを保存できることを念頭に置いて、本当に発信していいものなのか、と熟考する必要があります。
既にデジタルタトゥーに困っている場合には、それを極力目立たないように対策していくしかありません。
弁護士に相談したり、警察機関に届け出ることは最も有効だと言えますが、そこまで大事にはしたくない、またこの方法で削除などに動いていることを知られてより騒がれてしまうのを避けたい、という場合には「誹謗中傷対策センター」にご相談ください。
状況に合わせてどのような対策を取るのが最適であるかをご相談いただけます。
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