Googleで公開されている「透明性レポート」では、世界各国から集まる著作権侵害の申し立てをレポート形式で公開しています。 Googleへと送られた著作権侵害の申し立ては、Googleにて公平に審査され、必要に応じて非表示等の対応が取られています。 著作権侵害の申し立ては検索結果やYouTubeといった誰もが知るサービスはもちろん、Googleの提供するサービスで申請することができ、どの国からでも簡単で効率よく送信できるよう専用のフォームが設けられています。
この著作権侵害の申し立ての件数は、2022年10月31日現在60億件を突破。この数字は著作権者の権利を侵害する件数がまだまだ多いこと、そしてその著作権者が自身の権利を守るために力を注いでいることを示していると言えます。
Googleの各サービスにおいて、自身が権利を所有する著作物を侵害する可能性があるコンテンツを見つけた場合は、まずは「著作権侵害にあたるのか?」「Googleのポリシーに違反しているのか?」といった内容の確認が必要です。
Googleでは著作権について丁寧に説明されているページがあります。
https://support.google.com/legal/answer/3463239?hl=ja
著作権の対象になるコンテンツの例、著作権で保護されているコンテンツを使用する条件、Googleがコンテンツを除外する条件など、ひとつひとつ細かく記載されています。
まずは現在の状況と照らし合わせ、問題のコンテンツが除外の対象となりそうか確認しましょう。
[画像出典]著作権問題によるコンテンツの除外
条件等を確認し、問題のコンテンツをGoogleへ除外申請する場合は、専用の申請フォームを使用します。
Googleのサービスごとに申請できるため、問題のコンテンツが掲載されているサービスを選択します。
[画像出典]Legalヘルプ
申請を行うと、Googleでは対策チームが厳正にチェック・審査を行い、申請が認められるとサービス上から問題のコンテンツが非表示となります。
Googleでは、これまでGoogleへ寄せられた法的なリクエストやユーザーのセキュリティに関する情報を「透明性レポート」として開示しており、安全性や公平性を示すとともにそれを保つためのGoogleの取り組みをデータで公開しています。
その中でも今回は「著作権問題によるコンテンツの除外」から著作権侵害に関するデータを見てみます。
[画像出典]著作権問題によるコンテンツの除外
2022年10月31日現在、「除外がリクエストされたURL」は60億件を突破。「除外がリクエストされたURL」は、実際に著作権侵害としてリクエストされたURLの数です。
さらに「指定されたドメイン」は400万件、侵害されたとする著作権者は300万を超えています。
透明性レポートでは集計の期間が明記されていないことから、これらの数字は「透明性レポート」がスタートしてからの累計の数字であることが予想されますが、それでも膨大な数であることには変わりありません。
さらに、「透明性レポート」ではもっと多くのデータを見ることができます。
例えば申請を行った個人または組織の情報、問題があるとして申請されたドメイン等が公表されています。
また申請されたリクエスト内容の一例を見ることもできるようになっており、どういった申請をGoogleは対応したかを確認することができるので、著作権侵害の申請を行う際の参考になります。
[画像出典]著作権問題によるコンテンツの除外
2022年10月31日現在一番上に掲載されている一例を見てみます。
リクエスト
ある企業が、その企業に関する否定的なレビューに対し、自身のウェブサイトのコンテンツをコメント欄に投稿しました。その後、企業のオーナーから、コメント欄のこのコンテンツを理由にレビューページに対し著作権侵害の申し立てが提出されました。
結果
Googleでは、Google検索から該当URLを除外しませんでした。
レビューサイトに自社の批判的なコメントが掲載されていたらどうするでしょうか?
自社サイトに掲載されているコンテンツは自社の著作物に当たるため、外部に掲載されると著作権侵害となる可能性が高まります。
そう考えると「批判的なレビューはもともと自社内に掲載されており、レビューサイトに転載されてしまったから著作権侵害として削除対象となる」とすればレビューサイトに掲載された問題のレビューは削除されるでしょう。
しかし、Googleはこの申請を否決しています。これはもともとレビューサイトに掲載されたレビューがオリジナルであり、自社サイトに掲載されたレビューが転載であるとGoogleが判断したためと考えられます。
Googleはどちらのレビューがオリジナルであるかというところまで確認しているということです。
この記事では透明性レポートに明記される「著作権侵害」に関する内容をメインに取り上げましたが、著作権侵害以外でもGoogleへリクエストを申請することは可能です。
自身または自社の保有する著作権を侵害されて場合は上記通り著作権侵害としてのリクエストとなりますが、たとえば「個人情報が掲載されている」「露骨な性的描写」「テロに関するコンテンツ」といった内容も申請することができます。そのほか違法行為が見受けられるコンテンツに関しても法的なリクエストとして申請が可能です。
これらの申請は、Googleが提供するサービスにおいて掲載されているコンテンツに対し申請を行います。
たとえばGoogleの検索結果に問題となるサイトが表示される、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)の口コミにポリシー違反の内容が掲載されているといった場合に申請を行います。
掲載されている場所により対応方法が異なりますので、Googleのポリシー等を確認して対応を進めていきましょう。
対応方法に困った場合は弁護士や専門会社を頼ることもおすすめです。
当社では、問題となるサイトの解決方法や手順などご相談いただくことも多く、これまで多くの申請を行ってきました。
自社の批判的なレビュー、ブログなど、お困りのことがございましたらぜひ一度お問い合わせ下さい。