X(旧Twitter)は利用者が多く、月間アクティブユーザー数を見ると4,500万のアカウントが動いているといわれています。SNSとしてはマストで使われているツールですが、多くの人間が使用していることから、ひとつの情報が拡散しやすい反面、ネガティブな情報も一気に拡散し「炎上」を招くリスクも高いことが特徴です。 ここでは企業アカウントの炎上について、メカニズムや予防法をご紹介します。
まずはこれまでに発生した炎上ケースを紹介します。
炎上ケースのほとんどは企業のPRを行った投稿が不適切と判断され炎上したケースです。 消費者の感情やモラルについて調査が不十分だったために起こる炎上が多く、一度炎上すると売上といった営業活動に支障が出る可能性があります。 利用者数の多いXはマーケティング効果が高い反面、炎上することでブランドイメージの低下や信用棄損にも繋がってしまいます。
次に企業アカウントではなく、従業員の不適切な行為がポストされ、炎上につながったケースを紹介します。
モラルの欠けた従業員の行動が拡散されたケースです。 従業員は企業の「顔」でありその従業員が炎上すれば、企業の教育体制に批判が集まります。 近年は従業員のネットリテラシーも十分に問われ、SNS運用に関する教育を必須とする企業も増えています。
SNSを運用していくには、炎上が起きやすいテーマを避けなければなりません。 ここでは、炎上が起きやすくなるテーマについて紹介します。
企業が消費者に興味を持ってもらうために行う広告やCMは、目を引きやすくするためにより攻めた内容のコンテンツを生み出すこともあります。 批判ギリギリの内容となってしまうことも少なくないでしょう。社内では「ギリギリ大丈夫だろう」と作成したコンテンツは閲覧した一般人にとってはラインを越えていて「行き過ぎ」として批判の対象となってしまうこともあります。
前述での企業アカウントで行ったPRポストがこれに当てはまります。
従業員の行動がXで取り上げられることで炎上しやすいケースもあります。 店内で不適切な行為をしていた、個人アカウントと企業アカウントを間違えネガティブな内容をポストしてしまう、企業秘密を個人アカウントでポストしてしまうなどといったリスクが考えられます。 また企業や店舗の事件・事故に関するポストが拡散し大きな炎上を招くといったこともあります。
Xでは差別問題や政治的な言動についても簡単に公開してしまえることから、ここから火がつき炎上してしまうといったリスクもあります。 原爆の日に「なんでもない日おめでとう」のポストや、「ナチス」を思わせるコンテンツがたびたび炎上するなど、歴史に対して知識や配慮が足りずに起こってしまう炎上にも気を付けなければなりません。
XをはじめとするSNSは今やほとんどの人が利用しているコミュニケーションツールではないでしょうか。 SNS利用者数は2015年から見ても毎年増加しており、SNS利用率もそれに比例して増加しています。 2022年末にはSNS利用者数は8,241万人、SNS利用率は83.3%にも上るといわれています。
参照:ICT総研、2020年度 SNS利用動向に関する調査の結果を発表
炎上の多くがXをはじめとするSNSから発生していることから、SNSの利用者数が増えるにつれ、炎上が起こるリスクも高まるといえます。
Xだけでなく、ネット上で起こる炎上の原因はさまざまです。
炎上は「こうすれば必ず起こる」といった決まった原因がないことも特徴です。 その中でも火種となり得るテーマは存在しており、そのほとんどはモラルに欠けた言動である場合が多いようです。
炎上の過程は3つの段階に分けられ、火種が発生→拡散→炎上の流れで大きな問題となっていきます。
多くのフォロワーを持つ企業アカウントの場合、ポストはすぐにそのフォロワーの目に届くこととなります。 投稿したポストが不適切と捉えられた場合、火種が発生した段階といえます。
1.で不適切なポストを見たフォロワーがリポストを行うことでさらに多くの人の目につくようになり、X上で拡散されていきます。 また他のSNSに投稿したり、ネット掲示板等に書き込むユーザーもおり、そこからさらに拡散していきます。 拡散が繰り返される中で、噂やデマが混じることもあります。
2.で多くの人に拡散し、大きな問題となると、今度はニュースサイトやまとめサイトがその話題を取り上げ記事として公開されてしまいます。 この段階ではすでに炎上が起こってしまっているといえます。 大手ニュースサイトやテレビニュースにも影響が及ぶことで炎上はさらに大きくなり沈静化まで長引いてしまうこととなります。
炎上は決まった原因が捉えづらいことから、SNSは使い易い反面、より慎重な精査が必要です。 SNSの中でもXは必ずと言っていいほど企業が運用するアカウントであることも事実です。 多くの人へアプローチが出来る分、炎上と隣り合わせであることを忘れてはいけません。
世の中の多様性について理解が深まる中、「常識」は常に更新されていると考え、定期的にポスト内容に関する基準を見直す必要もあります。 また運用するのも人間ですので、担当者の意識改革や教育も欠かせません。
snsのトラブル原因は様々。個人や企業トラブルの回避から対策までを紹介
一度炎上してしまうとブランドイメージに傷がつき、信用を取り戻すには時間がかかります。 少しでもリスクを減らすために、予防についても考える必要があります。
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