国内最大手の転職口コミサイトの転職会議は、会員数700万人以上、口コミのある企業は22万社以上、口コミ数は300万件以上にもおよびます。
出典:転職会議
転職会議は、実際にその企業で働いている従業員や、過去に働いていた人が、その企業の口コミを投稿するサイトです。
転職希望者や就活生にとって、転職会議は採用サイトには書かれていない、企業の内情が分かるというメリットがあります。
一方で、企業にとっては、転職希望者や就活生に知られたくない内容まで知られてしまうというデメリットがあります。
転職会議では、会社に対して不満を持っている従業員や退職者が、悪意を持って、誹謗中傷と捉えられる口コミを投稿してしまうケースも少なくありません。
こうした口コミを放置しておけば、入社希望者の減少や、内定辞退者の増加につながってしまいます
本記事では、転職会議の口コミ投稿を削除するには「どうすれば良いか?」「削除後どうなるのか?」を知りたい方へ、削除依頼の方法を解説します。
口コミ投稿でお悩みの方は是非参考にしてください。
本記事は2023年1月17日に最新情報にアップデートしました。
ここに弊社がブラック企業という噂が広まった際に一体どんな書き込みがあったのかを分析した例があります。
上記の例はごく一部に過ぎず、従業員や退職者、採用試験を受けた人による、インターネット上での口コミによって、ブラック企業だという噂が広まってしまう企業が多くなってきています。
こうした噂が広がると、採用面で、以下のデメリットがあります。
採用面のデメリット
これでは優秀な人材の確保が難しくなるため、将来的に業績が悪化してしまうリスクがあります。
さらに、ブラック企業と噂されることで、従業員の士気が下がって離職者数が増加するリスクや、クライアントの不信感につながって取引停止となり、売上が下がるリスクもあるのです。
こうしたリスクを防ぐためにも、転職会議などの口コミサイトに悪評が投稿されてしまった場合には対策が必要です。
大手クラウドソーシングのランサーズユーザー100人を対象に、転職口コミサイトの評点や悪評書き込みについて質問、独自調査しました。
評点が「★」一つだった場合、約9割が応募を避ける結果となりました。
評点が「★」二つだった場合、約7割が応募を避ける結果となりました。
とある企業の就職活動掲示板サイトに「パワハラやセクハラが横行している」「手当なしの残業や休日出勤ばかり」などの悪評書き込みがあった場合、入社を避けますか?
就職活動掲示板サイトに悪評書き込みがあった場合、9割以上が入社を避ける結果となりました。
調査方法:インターネット調査(ランサーズ)
調査期間:2023年1月16日~1月17日
実際に就職活動掲示板に虚偽の情報を書かれたことにより、実害を受けた企業の事例を紹介しましょう。
文房具メーカーのA社では、毎年新卒採用をしています。
A社は就活生から人気で、毎年応募者が続出し、採用枠いっぱいまで優秀な人材を獲得することに成功していました。
しかし、ある年、新卒社員の入社が迫った時期に、多くの学生から内定を辞退したいという連絡が相次ぎました。
理由を聞いてみると、「就職活動掲示板に書かれている内容を見て不安になった」と言われます。
実際に、就職活動掲示板を見てみると、A社に対して「パワハラやセクハラが横行している」「手当なしの残業や休日出勤ばかり」など、でたらめの情報が書かれていました。
内定辞退を申し出た学生に、掲示板に書かれている内容は嘘だと説明しても、完全には信じてもらえず、引き止めることはできませんでした。
結局、最終的に入社した人数は、内定者の半分程度になり、内定者が全員入社するものとA社は思っていたため、事前に人数分のデスクやパソコンも用意していましたが、この費用も半分が無駄になりました。
転職会議に書かれた悪評は、運営会社に対して、削除依頼を出すことも可能です。
ただし、口コミの内容が事実でないことを、企業側が証明しなければなりません。
例えば、残業代が付かないと書かれているのなら、社員のタイムカードや給与明細を見せて、この口コミが嘘であると証明する必要があるのです。
つまり、転職会議では、口コミの内容が真実であれば、基本的に削除はしてもらえません。
逆に、口コミが虚偽であることを証明できれば、投稿を削除してもらうことも可能です。
なお削除依頼に対応してもらったとしても、全文削除と一部削除の二種類がありますので、注意が必要です。
転職会議に投稿された口コミの削除方法は、以下2種類あります。
削除方法
お問い合わせフォームから削除依頼を出す方法は、簡単なのがメリットですが、成功率が非常に低いのがデメリットです。
この方法で、転職会議の運営会社である「株式会社リブセンス」が削除依頼に応じるのは、全体の0.2%程度だと言われています。
[出典]転職会議:お問い合わせフォーム
もう1つは、裁判所を通じて、リブセンスに削除命令を出してもらう方法です。
裁判所から削除命令が出されれば、口コミを削除してもらえます。
削除命令を出してもらうためには、口コミの内容から、削除する必要性があると、裁判所に認めてもらわなければなりません。
ここでは、投稿された口コミの内容が虚偽であることを立証できているかどうかが重要視されます。
裁判所では、リブセンス側の弁明も聞いたうえで、該当する口コミの削除命令を出すかどうかが決められます。
法的措置については、下記ページで詳しく解説しております。
前述にも紹介しましたが、削除依頼が承認された後の対応は、全文削除と一部削除の二種類があります。
全文削除の場合、書き込みが取り除かれて「この投稿は、当社、または当該投稿を転載しているWEBサイトの運営会社に対して、権利者(例:企業など)が申し立てたことにより、転職会議運営事務局が削除いたしました。」という内容が表示されます。
一部削除の場合、書き込みが部分的に「*」で伏字処理が施されて「この投稿は権利者(例:企業など)の申し立てにより掲載可能な箇所のみ表示しております。」という内容が表示されます。
「ブラック企業」「パワハラ」「セクハラ」など、事実とは異なる風評被害でお困りなら、誹謗中傷対策センターにご相談ください。
記事冒頭でも記載したように弊社はブラック企業大賞を独自分析し、Webメディア「ITmediaビジネスオンライン」へ寄稿するなど、ブラック企業分析に精通しております。
悪評が広がって、被害が大きくなる前に、ぜひ早めの対処を心がけましょう。