SNSで炎上したときの対処法~スシロー炎上問題から考える企業の対応方法~ | 誹謗中傷対策センター
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SNSで炎上したときの対処法~スシロー炎上問題から考える企業の対応方法~

SNSで炎上したときの対処法~スシロー炎上問題から考える企業の対応方法~

2023年2月、寿司チェーン店での迷惑行為を撮影した動画が拡散し、大きなニュースとなっています。 メディアで大きく取り上げられているのが、回転ずしチェーン店「スシロー」での迷惑行為を撮影した炎上動画の件。 実はこういった迷惑行為による炎上事件は、1月だけで同じく回転ずしチェーン店「くら寿司」や「はま寿司」でも起こり、その他飲食店においても迷惑動画が拡散されるなど、多くの企業を巻き込み大きくなっています。 迷惑動画の数は昨今増加傾向にあり、各社が対応に追われています。

この記事では迷惑動画の傾向や、各社の対応、そして今後同様の被害を被らないために出来る対処法を紹介していきます。

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迷惑動画の炎上事件は増加傾向

客による迷惑行為の動画拡散による炎上事件は、2013年ごろに始まり、「バカッター」というインターネットスラングが誕生しました。
その後迷惑動画は様々な企業を巻き込み増加傾向になり、2016年にも多くの投稿が話題になりました。
コンビニのアイスケースで寝転がる様子を撮影する高校生、子どもをUFOキャッチャーに潜り込ませて景品を盗む保護者の投稿、コンビニのおでんに「ツンツン!」と言いながら指をつっこみ不衛生な動画アップした男性など、記憶に残るニュースも多いのではないでしょうか。

SNSに限らずメディア等での炎上事件自体が年々増加傾向にある中、このような迷惑動画は目立ちやすく拡散のスピードが早い印象です。

迷惑動画が減らない理由として、投稿した動画が注目されることによって、一定の影響力や注目を集めることができるというメリットがあるため、それを狙った人たちも増えている可能性があります。
また、SNSが匿名であり個人を特定できないものだと思っている傾向や、投稿した動画等が全世界に公開されるものだと知らなかったり、削除すれば綺麗にネットからも削除されると思ってしまうといったネットリテラシーの低さを指摘する声もあります。
実際には、SNSのアカウント名が偽名だとしてもIPアドレス等からプロバイダを特定し、そこから投稿者を特定することは可能であり、問題となる投稿を削除しても誰かが既に保存していたり検索エンジンのサーバーに残ってしまう等、完全に消すことはできません。さらに投稿動画内の一部から場所や人物を特定できる場合もあります。

スシロー炎上問題の流れ

1月29日 SNSにて少年が卓上の醤油さしや湯のみを舐める動画が投稿される。SNSを中心に一気に拡散。
1月30日 スシロー運営会社「株式会社あきんどスシロー」が事態を受けニュースリリースを発表。同日ニュースメディアにて問題について報道される。
1月31日 株式会社あきんどスシローが被害届を警察に提出。

回転ずし「スシロー」を運営するあきんどスシロー(大阪府吹田市)は30日、しょうゆの入った容器のそそぎ口を客がなめるなどの迷惑行為を撮影した動画がSNS(交流サイト)上に掲載されていることが判明したと発表した。警察に相談し、刑事と民事の両面から法的措置を検討するなど厳正に対処するとしている。

[引用]
「スシロー」迷惑行為動画がSNSに掲載 警察に相談へ

2月1日 株式会社あきんどスシローのニュースリリースにて迷惑行為を行った当事者と保護者から謝罪を受けたが引き続き刑事・民事の両面で対処を進めていくことを発表。
また迷惑行為があった店舗とその近隣店舗において、食器類・調味料類の置き場を変更し、各テーブルへはセルフサービスで取る方式へ変更。テーブルと提供レーンの間にアクリル板を設置。
2月3日 全店舗の運営方法を変更。提供レーンはタッチパネルで注文された商品のみ提供される。またテーブルに置かれた食器や調味料はスタッフに申し出することで交換可能になり、全店舗にて提供レーンとテーブルの間にアクリル板を随時設置。

2月24日にもニュースリリースにて引き続き警察署に相談していること、再び迷惑行為を行った関係者から連絡があったことが発表されており、現在も対応が進められていることがわかります。

どんな罪に問われるのか?

引き続き対応が進められているものと考えられますが、今回の炎上の引き金となった「店舗に備え付けられた卓上の醤油さしや湯のみを舐める行為」は何の罪に該当するのかを考えます。

器物破損罪

器物破損罪は刑法261条に定められ、他人の動産(物品)を壊したり、損傷を与えたりする行為を禁止し、処罰する罪です。

具体的には、他人の所有物を故意に壊す、破損する、または損傷を与えることが器物破損罪に該当します。また、他人の財産を単に汚すことは罪には該当しませんが、汚損行為が器物破損によって損傷を与える可能性がある場合は罪に問われることがあります。
公共の場や店舗で起きる器物破損罪では下記のような行為が当てはまります。

  • 公共の施設や建物の窓ガラスをわざと割る行為
  • 公共の花壇や植木鉢を蹴り飛ばして壊す行為
  • 店舗の商品を故意に壊したり、損傷を与えたりする行為
  • 店舗の備品や設備を故意に破壊したり、損傷を与えたりする行為
  • 店舗内の装飾品や花器などをわざと落として割ったり、破損させたりする行為
  • 店舗の看板を壊したり、落書きしたりする行為

スシローで行われた備品を舐める行為は「店舗の備品や設備を故意に損傷を与える」行為に該当するため、器物破損罪が問われる可能性があります。
器物破損罪では3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料が科せられることとなります。
器物損壊罪は親告罪であり、被害者からの訴えで告訴が可能です。ただし6カ月以内の告訴でなければ認められず、これを過ぎると犯罪として処罰することができなくなります。

威力業務妨害罪

威力業務妨害罪は刑法234条で定められ、人の威信・信用を害することで業務を妨害し、相手方に不当な利益をもたらすことを目的として行われる迷惑行為に対して適用されます。
具体的には、嫌がらせや脅迫などの方法で、企業や団体、個人の業務を妨害した場合に、罰せられるとされています。
たとえば、電子メールや電話での嫌がらせ、商品の故意などによる業務の妨害、ウェブサイトへの不正アクセスや改ざんなどが挙げられます。

この罪は、被害者が直接的な被害を受けるだけでなく、一般に妨害行為が公になることで社会的な信用を失うことも考慮されています。 したがって、損害賠償だけでなく、社会的制裁も厳しくなる場合があります。

威力業務妨害罪が認められた際には、は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられることとなります。 また、犯罪の程度によっては、名誉毀損罪や侮辱罪、脅迫罪など他の犯罪と併せて起訴される場合があります。

迷惑行為による威力業務妨害罪は、社会秩序の維持と被害者の保護を目的として制定された罪であり、近年ますます増加している迷惑行為に対する法的な対処が求められる社会状況に適応した罪といえます。

SNS炎上したら何をすればいいのか?

時系列でみると、大まかに「炎上発生→被害届提出→店舗の運営方法変更」の流れになっていることが分かります。
細かく見ていきます。

炎上後の行動まとめ

迷惑行為が行われた店舗の特定

スシローではどのように店舗を特定したのかを公表していませんが、店舗特定にはいくつかの方法が想像できます。
映像に写る店舗の内装からある程度の絞りこみが可能であり、また監視カメラの確認や店舗のスタッフ等が迷惑行為を行った客を覚えている可能性もあります。
これらの情報から早急に店舗を特定することで、世間の誤解や憶測による二次被害を抑えることもできます。

警察への相談・被害届の提出

被害届は、事件が発生したことを公式に警察に通知する手続きです。被害届を出すことで、事件が公式に記録され、警察が調査を進めることができます。
被害届を提出するためには、まず迷惑行為についての具体的な証拠を集めます。証拠は、監視カメラの映像、証人の証言、被害者や目撃者の証言、被害に関連する物品の写真や動画などが含まれます。事件の詳細や証拠を提出することで、迅速かつ適切な対応をすることができます。
また、相談時にはできるだけ事実を正確に伝えることが大切です。どのような迷惑行為が行われたか、いつどのような状況で撮影されたか、どのような人物が関与しているかなど、事実を正確に伝えていきます。

プレスリリースの発表

炎上が発生した場合、情報が拡散されるスピードは非常に速いため、誤った情報が広まることがあります。プレスリリースを出すことで、正確な情報を事実として伝えることができます。
プレスリリースを出すことで、企業や団体が炎上に対して真摯に向き合っている姿勢を示すことができます。また、迅速に対応したことをアピールすることもできます。
ただし、プレスリリースは企業や団体が正式に発信する情報であるため、内容には注意が必要です。誤った情報を発信してしまうと、かえって状況を悪化させてしまうことがあるため、正確な情報を伝えることが重要です。

店舗の早期改善

今回のスシロー問題の場合は早々に対象店舗の食器や調味料の設置場所を変えるなど、同じ問題が起こらないよう早期に改善対応しています。
このように早期に改善を行うことで同様の問題が再発する可能性を低くすることができます。また、問題点を把握し、改善策を講じることで、より良い製品やサービスを提供することができます。
また早期に改善することで客の不安などのマイナスイメージを解決できるため、顧客離れにブレーキをかけることができます。

継続した情報収集

スシローでは、大きく報道された迷惑動画の他にも迷惑行為が行われた写真や動画の拡散、問い合わせ窓口への通報などが相次いでいることから、2月10日に出したプレスリリースにて「今後も刑事・民事の両面から対応を行っていくこと」「一連の関係者へ直接的な危害を加える言動を控えてほしい」旨を公表しています。
このことから、スシローでは炎上対応中、対応後も情報収集を続けていることがわかります。
情報収集を継続することで、世間の関心度合いを把握したり、新たな炎上を早期発見できるなどのメリットがあります。

SNS炎上は早期発見が鍵

炎上発生から1ヶ月経ち、現在ではスシロー問題の関心が薄れてきたといっても良いでしょう。
この短時間で炎上が鎮火した経緯には、スシローの早期発見、早期対応によるものと考えられます。
一度炎上が起こってまった場合には、早急に対応していかなければ二次被害や風評被害が長引いてしまうことにもなりかねません。

まずは炎上の早期発見が大切です。
誹謗中傷対策センターではツイッターをはじめとする各SNSや検索結果の監視を行っております。
ご相談は無料で行っておりますので、SNSや検索結果について炎上対策などお考えの際はぜひ一度お問い合わせ下さい。
炎上の原因を早期に突き止めるためにも、監視体制を整えておきましょう。

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