「炎上」という言葉は最近ではよく耳にするワードのひとつになりました。 今日もネットのどこかで大小様々な炎上が起こっています。
今回は誹謗中傷対策センターが調査し続けてきた、過去7年間のネット炎上事例の傾向をまとめたものをご紹介します。
調査期間:2015年5月1日~2021年12月31日
調査対象:国内ニュース・SNS・掲示板
SNSやインターネット上のメディアの常時監視を行い、「対象に対する非難や批判の発生」「対象に対する非難や批判が拡散されている」内容を確認した場合、炎上事例と認定しています。
2015年:250件
2016年:600件
2017年:609件
2018年:468件
2019年:487件
2020年:398件
2021年:362件
2015年の炎上の傾向を件数で見てみるとメディアではテレビが一番多く、次いでTwitterであった。 発生原因は圧倒的に芸能人・著名人が多く、次に企業・団体となっている。 逆に社員・従業員やアルバイトは少ない傾向にあった。
芸能人の炎上では、ある女優が、出産し「私も親になって初めて人間にさせていただいたと思っている」と語った事が大きな批判を浴びた。
また、女性タレントが、妊娠中の第二子の性別を巡る発言で、「主人から男の子ができたら打ち止めと言われています」と子作りについて“打ち止め”という表現を使い炎上に発展。
不妊治療をしてきた某芸能人が、妊娠したとたん義理の息子へ「孫まだ?」の無神経発言。 女子アナが長女の子育てルールについて語ると、「理想論を語るな!」などまさかの集中砲火を浴びた。 いずれも女性タレントによる出産・育児に関する発言で、本人の意図しないところで反感をかってしまった事例も多かった。
2016年は、2013年に最も多かったとされるバカッターによる投稿が見られた。 コンビニのアイスケースで寝転がる様子を撮影する高校生。 子どもをUFOキャッチャーに潜り込ませて景品を盗む保護者の投稿。 コンビニのおでんに「ツンツン!」と言いながら指をつっこみ不衛生な動画アップした男性。
また、芸能人のスキャンダルに関する炎上も多かった。 この年の1月ある芸能人同士の不倫が文春砲を受け大バッシングされ、「ゲス不倫」という言葉を生み出した。 この件で擁護する人が現れるとそちらにも火の粉が飛び、憶測などもあちこちで広まり大騒動に発展。 好感度ナンバーワンと言われた女性タレントが地に落ちた事件で、世間の炎上はなかなか収まらず、半年たっても話題に上ると批判の声が上がっていた。
2017年この年企業や組織の炎上件数が大きく増えた。 その炎上原因には不適切発言、パワハラ、差別などがある。
あるテレビ局がTwitterで、有名スポーツ選手を例に挙げ「小児ぜんそくを言い訳にせず…」とツイート。 「病気、障害は言い訳じゃない」と批判が殺到。 テレビ番組で、「睡眠薬で糖尿病の治療や予防ができる」などの行き過ぎた表現を使い放送したことで大炎上。 不適切であったことなどを謝罪することになった。
「安い電気か、稼ぎのいい夫か」という電力会社のCMが男性蔑視、女尊男卑だとの指摘が相次ぎ炎上した。
また、大手企業の上司の説教がドキュメンタリー番組で放送され「パワハラ」などとして非難が集中した。 有名企業の「さ、洗い流そ」で締めるWEBムービーが「不快だ」と炎上、過去に制作された広告ポスターにも批判が「飛び火」した。
その影響で両社には「不買宣言」の声も集まった。 洗剤CMで「オトコ臭、くさい」との表現が男性差別だと炎上。 おむつのCM動画が「ワンオペ育児」を美化していると物議を醸した。
以上のような企業のWeb広告CMの内容に関する批判が多く見受けられた。
2018年、昨今は炎上するメディアとしてTwitterが多数を占めているが、このころ女性ユーザーの多いインスタグラムからの投稿で炎上するケースも目立ち始める。 また、この年起きた大阪北部地震に関する“不謹慎“だという炎上も少なくなかった。
あるサッカー選手が、地震が起きたこの日20歳の誕生日を迎えたことで「誕生日が思い出深いものに...」と発言「不謹慎」と賛否両論が起こった。
人気男性ラッパーが、地震発生後「地震楽しかったっすよ。すげー揺れたし、非日常は楽しいです」などと発言、批判を受けると自ら反撃しさらに炎上した。
2016年の熊本地震から目にするようになった「不謹慎狩り」というワード。 震災が起きるとこれらの数が多くなる傾向がある。 その事例としてこの年も、女性タレントが大阪北部地震直後にインスタ更新したが、地震と関係ない内容にもかかわらず、タイミングが悪かったため「不謹慎だ」と炎上。 このように悪意など全くない場合でも、過剰に反論や誹謗中傷されるケースもある。
2019年この年はアルバイトが不適切な行為を撮影し投稿するバイトテロと呼ばれる炎上が多発した。
コンビニのアルバイトが、深夜の店内で上半身裸になり服を振り回す動画。 レジで商品を舐める様子を収めた動画。 寿司チェーン店のアルバイトが食材をごみ箱に投げ入れ、すぐに拾ってまな板の上に起き直している動画。 調理場の鍋の炎でタバコに火をつける動画。 飲食店の従業員がズボンを脱いで配膳トレイで股間を隠す様子を映した動画。 引越業者のアルバイトが、客の机の上で遊ぶ動画。 カラオケ店の厨房でユニフォームを着た人物が食材を地面にこすり付け、そのまま揚げようとする様子が映った動画。
このようなアルバイトによる悪ふざけ行為は、企業経営側にとって大きな損失、 イメージ低下、誹謗中傷などに繋がり深刻なダメージになる。
2020年はコロナウイルス関連の炎上が多く見られた。
有名芸能人が新型コロナウイルス闘病の体験談を電話取材で語ったが、医療ひっ迫の時期多くの人がたらい回し状態の中「たまたま病院が空いていたから」と発言し多くの人の怒りを買った。
某番組MCがテレビ放送で「コロナ第二波“期待”できる」と耳を疑うような発言をした。 事態を軽視している発言に批判が殺到した。
ある作家が「私はコロナなど怖くない!マスクなんかしていない!」などとツイートし賛否さまざまな意見が寄せられた。
コロナの影響で飲食業界が厳しい状況に置かれさまざまな予防策が取られる中、「県外からの客の利用を拒否する」という試みが行われ、大きな話題を呼び賛否両論が巻き起こった。 人気ラーメン店の店内に掲示された「コロナはただのカゼ」と断言した貼り紙が来店客によって撮影され、Twitterで拡散し炎上した。
前年の12月中国で新型コロナウイルスの感染者を確認後、日本でも猛威を振るい始めると緊急事態宣言も出され、全国民の注目度、関心が非常に高くなった。 また未知のウイルスであることからデマ情報などの拡散も多く、混乱が相次いだ。
2021年も引継ぎコロナ関連の炎上が多く、そのコロナ禍で行われたイベントは大きな注目を集めた。
イベント開催についてのアンケートで約6割の人が「中止してほしい」と回答したことを受け、番組MCが反対派の声を「雑音」と表現。 別番組ではある実業家が同じく反対派の国民をバカにする発言を繰り返し批判の声が殺到した。
またイベント制作関連の事件も大きな話題となった。 イベント開閉会式の制作メンバーとなっていた作曲家が、過去に障がい者をいじめていた経験を明かした雑誌のインタビュー記事が取り沙汰され、大きな批判を呼び辞任する事態になった。 この炎上によりバンド活動をする息子にまで飛び火し批判やアンチコメントが殺到した。
続いてイベント文化プログラムに参加予定だった児童文学作家に対し、過去数々の「炎上」を繰り返してきた人物を起用するのかと批判の声が上がると、突如出演の辞退が発表された。
「女性蔑視」だとして炎上した事例も多く、イベント組織委員会会長の女性理事に対する発言。 人気報道番組の『ジェンダー平等』に触れるWebCM。 観光庁が後援する『温泉むすめ』の「スカートめくり」「夜這い」などのキャラクター設定がある。
2015年から2021年まで過去の炎上事例を振り返ってみると芸能人や著名人のSNS投稿による炎上にはじまり、「バカッター」と呼ばれる個人の炎上、企業・組織、従業員による炎上、今も猛威を振るう新型コロナウイルス関連の炎上など、ネット炎上はトレンドなどで常に変化していることがわかりました。
企業の広報・マーケティングなどでSNSを運用されている方は、賛否のわかれそうな内容や極端な発言による物議を醸すケース、特に「差別」「パワハラ」「ジェンダー」「トレンド」などが含まれる投稿は、投稿する前に十分注意する必要があります。
情報発信を行うにあたって、炎上が絶対に起こらないようにするためには、投稿する内容の準備・確認が大切です。
ネット上の風評被害・誹謗中傷対策は自社で行うことも可能ですが、専門的な分野も多く含むため、どのように対策をしていけばよいかわからない場合、お気軽にお問い合わせください。
当社はウェブマーケティングに特化した広告会社として2006年に営業活動をスタートし、インターネット領域での皆様の「困った!」を解決すべく、2009年よりインターネットの誹謗中傷・評判管理対策サービスを開始し平時・有事を問わず多くの企業をサポートしています。
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