ブログやSNSでの投稿が発端となって、企業が炎上するケースが増えてきています。炎上は、企業にとって様々な悪影響をもたらすため、炎上を起こさないための対策は欠かせません。
弊社では炎上事例収集数を述べ3,283件(2022年6月時点)と、常に最新の炎上事象の変化と傾向を把握しており、業界内で稀有の存在となっています。
[出典]ネットリスクJP
昨今では検索エンジン代わりにTwitterやInstagramを使う、ということも珍しくありません。企業をあげての対策は必須です。本記事では、炎上が起きるメカニズムと炎上対策について説明していきます。
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炎上とは、ネット上の不適切な投稿などが原因で、非難や批判のコメントが殺到する状態を指す、インターネット用語です。SNSやブログなどで、火種となるような投稿があれば、その情報は瞬く間に多くの人たちに広がり、やがて炎上します。 炎上は、SNSを通じて起きるケースが多くなっています。投稿から、炎上に至るまでの主な過程は、以下のとおりです。
この場合、3の時点で、炎上が起きていると言えます。3で炎上が収束するケースもありますが、内容や企業の知名度によっては、4や5へ進むことも珍しくありません。
ブログでの投稿が火種となった場合も記事がSNSにシェアが可能なため炎上に向けて、上記過程の2以降と同じ道のりをたどります。
多くの人たちからの非難や批判を避けたい気持ちは、個人も企業も同じですが、特に企業は、炎上を起こさないよう、しっかり対策するべきです。ぜなら、企業の場合、炎上を起こすことで、主に以下の実害を被る危険があるからです。
これらはいずれも、企業にとって、死活問題になるものばかりです。上記の実害を避けるためにも、企業はこのあと紹介する方法で、炎上対策に取り組みましょう。
炎上が起きるケースは様々ですが、SNSやブログに限れば、多いものでは4つに絞られます。
企業を対象としたそれぞれのケースについて説明していきましょう。
数年前、「バカッター」や「バイトテロ」という言葉が話題になりました。これらは、お店の従業員が勤務中に、悪ふざけで不適切な行為をしているところを写真に撮って、SNSに投稿することを指しています。 過去には、以下のようなバカッターやバイトテロが起きました。
いずれも大炎上しました。一番の責任は、不適切行為をした店員にありますが、店や企業にも、店員を雇った責任が問われます。
自社でこのようなことがあると、企業イメージが大きく低下するほか、店舗休業や事業停止、最悪の場合は倒産に追いやられる危険もあります。
近年では、公式アカウントを運用する企業も増えてきました。公式アカウントは、ユーザーと直接コミュニケーションがとれることから、企業に対して親近感や信頼感を持ってもらいやすく、WEBブランディングの一環として活用されています。
ただし、公式アカウントの運用には、リスクもあります。なぜなら、SNSでの不適切な発言が原因で、ユーザーたちから反感を買い、炎上するケースもあるからです。
公式アカウントは、ユーザーにとっては、その企業の顔とも言える存在です。そのため、発言内容には、十分注意する必要があります。
企業の公式アカウントや公式ブログでの発信は、その企業を利用する多くの顧客やファンにとって、大きな影響力があります。事実と異なる発信をしてしまうと、内容によっては「ミスでした」では済まされないことにもなりかねません。
誤情報の発信がもとになって、炎上してしまう企業の例は、少なくありません。公式での投稿は、間違いや誤解を与えるような表現がないよう、十分に注意しましょう。
炎上を防ぐために、企業が注意すべきなのは、SNSやブログでの投稿だけではありません。
企業が起こした不祥事が、被害を受けた人やその関係者によってネット上に投稿され、炎上するというのも、よくあるケースです。過去には、以下のようなケースがありました。
こうした不祥事が起きないよう、社内体制を整備するのも、炎上を防ぐうえで重要です。
インターネット全盛の現代において、企業には炎上を防ぐための対策が欠かせません。企業でのSNS炎上対策について説明します。
炎上を防ぐうえでは、社内でSNSの運用ガイドラインを策定し、全社員に対して周知させることが重要です。
全社員に周知させる理由は、SNSは個人でも運用可能で、個人アカウントから企業が炎上するケースもあるからです。例えば、従業員の1人が「お店に有名人が来た」という投稿をして、隠し撮りした写真をあげたり、個人情報を書き込んだりすれば、炎上する確率が高くなります。
こうしたことを未然に防ぐためにも、ガイドラインは全社員に共有させるべきなのです。
運用ガイドラインでは、主に以下のルールを定めておきましょう。
このようなルールを定めておけば、火種となるような投稿をすることを防げるため、炎上を引き起こす確率もグッと低くなります。
炎上が起きてしまったときに備えて、炎上時の報告フローも策定しておきましょう。社員の1人が炎上に気づいても、誰に報告するのか明確になっていなければ、企業全体としての対応が遅れてしまいます。
そのため、炎上が起きた際の対応部署と、その部署からどんなフローで経営陣に炎上の発生を報告するかの2点は、最低限定めておきましょう。対応部署と報告のフローは、SNS運用ガイドラインに掲載しておくといいでしょう。
バカッターやバイトテロを防ぐうえでは、アルバイトの従業員に対しても、SNS利用についてのルールを作り、徹底させることが重要です。例えば、「勤務時間中はSNSの利用を禁止する」などでもいいでしょう。
アルバイトの従業員と契約書を交わし、そのなかでSNSに関する条項を作って、損害賠償についても明記しておけば、抑止効果が期待できます。
SNSの公式アカウントの投稿を、担当者1人に任せているのなら、要注意です。この場合、その担当者1人が不適切な投稿をしただけで、企業全体が炎上するリスクを負います。
そうならないためにも、公式アカウントでは、複数人で内容をチェックしてから、投稿するようにしましょう。複数人での内容チェックは、ブログ記事の投稿時にも有効です。
火種となるような投稿をすると、瞬く間に拡散されてしまうため、対応が遅れれば遅れるほど、企業が受けるダメージは大きくなります。企業が炎上によって受けるダメージを抑えるうえで重要なのが、早期発見と早期対応です。
早期発見ができれば、適切な対処によって、炎上の火種を消すことで、その後のダメージを最小限に食い留められます。
SNSの公式アカウントや公式ブログでの投稿が火種であれば、すぐに気づけますが、消費者などの投稿から炎上した場合は、このかぎりではありません。火種を見過ごさないためには、SNSを中心とした、ネット上の監視が有効です。
やり方は、SNSや検索エンジンで、企業名やサービス名でエゴサーチ(自分の名前で検索)すること。自社で、ネット監視をどの頻度で、誰が行うかを決めて、実践するようにしましょう。
リソースの問題などで、自社で行うのが難しい場合は、風評被害対策会社に代行してもらうのがおすすめです。
SNSの公式アカウントやブログでの投稿が原因で炎上が起きてしまったとき、間違った対処をしてしまって、炎上が拡大するケースは少なくありません。SNSやブログが炎上したときに、企業がとってはいけない、間違った対処法を紹介します。
SNSやブログが炎上したとき、炎上の原因となった投稿を、すぐに削除してしまう企業もあります。しかし、これは絶対にとるべきではない、間違った対処法です。
炎上に対する謝罪をしていない状態で、投稿の削除をしてしまうと、投稿を見ていた人たちから「隠蔽」ととられてしまいかねません。仮に、隠蔽のために削除したとしても、炎上した投稿をスクリーンショットなどで保存しているネットユーザーも一定数いるため、意味がありません。
炎上した投稿を削除して、なかったことにしようとすると、余計に炎上する危険が高くなります。そのため、炎上のもととなった投稿を削除するタイミングは、どんなに早くても、謝罪や説明が済んだ後。ベストなのは、炎上が完全に収束した後です。
SNSやブログが炎上したら、落ち着くまで、これらの更新はいったんストップするようにしましょう。
SNSやブログで、炎上と関係のない投稿を続けていると、見た人から「反省していない」「不謹慎だ」ととられてしまいます。他の投稿をすることで、炎上をごまかしていると感じる人もいるでしょう。
どちらにしても、炎上が拡大する危険があるので、一度炎上したら、謹慎する姿勢を見せておくことが大切です。
注意を払っていたとしても炎上が起きてしまった、そんな万が一のとき、企業がまず行うべきことは正式な謝罪です。この謝罪は、公式ホームページやブログ、SNSの公式アカウントなどで、それぞれ投稿するようにしましょう。
謝罪と合わせて、問題が起きた経緯や、事後対応について説明することも重要です。
炎上を抑えるうえで、謝罪は早いに越したことはありません。しかし、焦って先走るのは禁物です。
例えば、SNSの公式アカウントの運用担当者である一社員が、すぐに謝罪をして、問題が起きた経緯や事後対応を説明しても、それは個人の見解にすぎず、会社全体の見解とは異なるかもしれません。この場合、後から、訂正と再度の謝罪が必要になります。
訂正後の対応が、怒っている人たちからの納得を得られるものでなければ、かえって炎上が拡大する危険が高くなります。そうならないためにも、謝罪の投稿は、会社の方針が決まった段階でするようにしましょう。
事後対応の決定に時間がかかりそうな場合は、謝罪と事後対応の説明を分けて投稿するのも有効です。この場合、謝罪の投稿に「事後対応については、後日ご報告いたします」と付け加えておきましょう。
とはいえ、間が空きすぎると反感を買ってしまうため、この場合も、できるだけ早期に、事後対応を決めて報告することが重要です。
現代はどんな企業であっても、ちょっとしたことがきっかけで炎上してもおかしくない時代となりました。これからの時代は、炎上を防ぐための社内体制の構築は不可欠といっても過言ではありません。
とはいえ、通常の業務に加えて、ネット監視などの対策を続けるのは、簡単なことではありません。ガイドラインを制定するにしても、社内に詳しい人がいなければ、手探りとなってしまいます。
このような場合は、風評被害対策会社に相談するのがおすすめです。風評被害対策会社では、炎上を未然に防ぐための対策や、起きてしまった場合の有効な対策を熟知しています。
炎上を防ぐためのサポートや、ネット監視の代行もしてもらえるのでインターネット関連の情報に詳しくない企業は、ぜひ検討してみてはどうでしょうか。